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育成就労制度は2027年4月1日開始|技能実習から何が変わるか・企業の準備

監修:行政書士 渡邉 徳人

技能実習制度に代わる「育成就労制度」が、2027年4月1日から始まります。育成就労計画の事前の認定申請はすでに2026年9月1日から受け付けが始まっています。何が変わるのか、対象の分野、転籍のルール、今いる技能実習生の扱いを、出入国在留管理庁の資料をもとにまとめました。

この記事のポイント

  • 育成就労制度は2027年4月1日に始まり、3年間の就労で特定技能1号の水準の人材を育てる制度です。
  • 対象は17分野。特定技能19分野のうち、自動車運送業と航空は対象外です。
  • 一定の条件のもとで、本人の希望による転籍(職場を移ること)ができるようになります。
  • 監理支援機関の許可(2026年4月15日から)と育成就労計画の認定(2026年9月1日から)の事前の申請はすでに受付中です。

育成就労制度とは

育成就労制度は、2024年6月21日に公布された改正法で作られた新しい制度です。技能を母国に移す国際貢献を目的としていた技能実習制度をやめ、人手不足の分野で人材を育て、確保することを目的にしています。外国人は「育成就労」という新しい在留資格で、原則3年間働きながら技能と日本語を身につけ、特定技能1号へ進むことを目指します。

受入れの上限(受入れ見込数)は、2028年度末までで育成就労が42万6,200人、特定技能1号が80万5,700人、あわせて約123万人とされています。

技能実習と比べて変わる主な点

技能実習と育成就労の主な違い
技能実習(これまで)
  • 目的は技能の移転による国際貢献
  • 監理団体が受入れを監理
  • 本人の希望による転籍は原則できない
  • 技能実習計画を外国人技能実習機構が認定
育成就労(2027年4月から)
  • 目的は人手不足の分野での人材の育成と確保
  • 許可制の「監理支援機関」が監理(今の監理団体も許可が必要)
  • 一定の条件のもとで本人の希望による転籍ができる
  • 育成就労計画を外国人育成就労機構が認定

分野ごとの受入れ見込数を、受入れの上限として運用します。

このほか、送出国とは二国間の取決め(MOC)を作り、原則としてMOCを作った国からだけ受け入れます。外国人が送出機関に払う費用が高くなりすぎないよう、上限も設けられます。家族の帯同は、原則として認められません。

対象の分野と日本語の水準

育成就労の対象(育成就労産業分野)は、特定技能の19分野のうち、国内での育成になじまない自動車運送業と航空を除く17分野です(2026年7月時点)。

  • 介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、宿泊、鉄道
  • 物流倉庫、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業、資源循環

日本語は、段階ごとに求められる水準が決まっています。

育成就労の段階ごとの試験
  1. 働き始めるまで
    日本語 A1相当以上日本語能力試験N5などに合格するか、それに相当する日本語の講習を受けます
  2. 1年たったころ
    技能と日本語の試験育成就労評価試験の初級や技能検定基礎級などと、A1相当以上の日本語の試験
  3. 3年の育成の終わり
    特定技能1号の水準へ特定技能1号と同じ水準の技能の試験と、A2相当以上の日本語の試験(N4など)に合格して進みます

特定技能1号の試験に不合格のときは、再受験のために最長1年、在留を続けられます。

本人の希望による転籍のルール

育成就労では、外国人本人の希望で職場を移る「転籍」が、次の条件をすべて満たすときに認められます。

  • 同じ受入れ先で、分野ごとに決められた期間(1年または2年)以上働いていること
  • 分野ごとに決められた技能の試験と、日本語の試験(A2.1相当以上)に合格していること
  • 転籍先が優良な受入れ先であることなど、転籍先の要件を満たしていること
  • 転籍は同じ業務区分の中で行うこと

期間は、たとえば介護・建設・外食業などが2年、宿泊・農業・漁業などが1年です。ハローワークは、監理支援機関や外国人育成就労機構と連携して転籍を支援します。

今いる技能実習生はどうなるか

技能実習は、2027年4月1日以降もすぐになくなるわけではありません。経過措置で、次の場合は引き続き技能実習を行えます。

  • 2027年4月1日より前に入国し、その日に技能実習を行っている人
  • 2027年4月1日より前に技能実習計画の認定を申請し、施行日から3か月以内に始める計画の人

この場合は技能実習のルールのまま進み、途中で育成就労に移ることはできません。1号から2号へは移れますが、3号へ移れるのは、施行日の時点で2号を1年以上行っている人に限られます。

受け入れる企業が今からできること

施行までの流れ
  1. 2026年4月15日〜
    監理支援機関の許可の事前申請お付き合いのある監理団体が許可を申請しているか確かめましょう
  2. 2026年9月1日〜
    育成就労計画の認定の事前申請2027年4月から受け入れたい企業は、計画づくりを始める時期です
  3. 2027年4月1日
    育成就労制度が始まる分野ごとの運用要領や上乗せの基準が順に公表されています。自社の分野の分を確かめておきましょう

育成就労計画の作成や、技能実習・特定技能との使い分けは、分野ごとに細かな決まりがあります。お近くの専門家にご相談ください。

出典:出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度の概要(令和8年7月改訂)」、出入国在留管理庁「育成就労制度」「育成就労制度Q&A」のページ

よくある質問

育成就労制度はいつから始まりますか?

2027年(令和9年)4月1日から始まります。監理支援機関の許可は2026年4月15日から、育成就労計画の認定は2026年9月1日から、事前の申請の受け付けが始まっています。

育成就労では職場を変えることができますか?

一定の条件のもとで、本人の希望による転籍ができます。同じ受入れ先で分野ごとに決められた期間(1年または2年)以上働き、技能と日本語の試験に合格していること、転籍先が要件を満たしていることなどが必要です。

今いる技能実習生は、制度が変わるとどうなりますか?

2027年4月1日の時点で技能実習を行っている人などは、経過措置で引き続き技能実習を行えます。ただし途中で育成就労に移ることはできず、3号へ移れるのは、その時点で2号を1年以上行っている人に限られます。

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